何のために働くのかを答えるのが難しい人もいれば、答えはいたって簡単だと言う人もいるようです。
海外の友人宅を訪れた時にそんな話になったのですが、ここでは豊かな生活をするためだそうです。豊かな生活とは、より大きな家と土地、ボートや高級車を手に入れる事のようです。それが本当にその人の価値観から来る生活なのか、ご近所との競争意識のためなのかはわかりませんが、今の生活より常に「ちょっと上行く」生活のために懸命に働くようなのです。

 その知人宅、自分達の生活空間以外に3つの客室、3つのバスルームのある大邸宅には大きなデッキが2つ、ジャクジー、食洗器3台にその他5口のIHストーブ、コーヒーマシンからケーキ作りの粉混ぜ機に至るまで、近代設備がフル搭載のキッチンがあります。それに高級セダン2台にワゴン、それにボートです。そしてまだ足りないのか夫婦して必死に働いています。一生懸命働いて生活を作ると言うより、理想の生活が先にあって、それに必死に追いつこうとしているかのようです。

 彼らだけでなく「ちょっと上行く生活」をキープして「もっと上行く生活」を目指している人が多いので、思いがけない解雇や病気などが起こるとそれはもう想定外、家などを失う人もいるようです。お金が無いので必要品しか買わない、小さな家に住み、車も中古、食器も手で洗うという私には、とても新しい生活様式です。

 彼らの働く理由は確かにわかりやすくて理に適っていますし、働くための大きなモチベーションにもなっています。でもその豊かな生活を楽しむ時間はあるのかなと忙しい彼らを見ていてふと思いました。

 誰のための豊かな生活なのか、そもそも豊かとはどういう事なのかをふと考えました。